2023/07/04 ブログ
フッ素の効果
フッ素は、虫歯予防や歯を強くする成分として、ドラックストアやCM等で目にする機会が多いのではないでしょうか。
では、フッ素とはどんなもので、なぜ歯に良いと言われているのかご存じですか?
今回は、フッ素について詳しく見ていきましょう。
目次
虫歯ってどうしてできるの?
食事をすると、酸性成分(飲食物の酸・虫歯菌の産生する酸など)の刺激で表面の結晶成分が溶けてしまいますが、唾液の力で唾液中のカルシウムなどを取り込みながら再び歯の表面に戻ることができます。
これが、CMなどでよく聞く「再石灰化」と言われる働きです!
お口の中では通常この一連のサイクルが起きているのですが、一度バランスを崩し過度に結晶成分が溶け出してしまうと再石灰化が追い付かず、穴になってしまいます。
これが、いわゆる「虫歯」です。
フッ素って何?
フッ素は、カルシウムやナトリウムと同じように身体の中にも存在しているミネラルのひとつです。
フッ素は口腔内で主に3つの働きを担っています。
虫歯菌の働きを弱める
フッ素には虫歯菌の代謝活動を抑制する働きがあるので、酸性成分が作られにくくなります。
再石灰化を促進させる
唾液中のカルシウムなどを取り込むのを促進する役割をしているので、再石灰化を促してくれます。
歯を強くする
再石灰化の不十分な部分に働きかけ、カルシウムetc.の代わりにフッ素が取り込まれ再石灰化すると、更に強い結晶成分となって歯の表面に戻ります。
フッ素を上手く活用するには?
歯磨剤
現在市販されている歯磨剤の約90%がフッ素配合のものと言われています。
歯磨剤に含まれるフッ素濃度は1500ppm以下と決められていて、毎日使うのに適した濃度になっています。
子供用歯磨剤に含まれるフッ素濃度は950ppm前後のものが多く、さらにうがいするのが出来ない小さなお子様用には500ppm以下のものもあります。
歯科医院でのフッ素塗布
歯科医院で行うフッ素塗布は、高濃度のフッ素を直接塗布する施術です。
この時に使用されるフッ素濃度は9000ppmです。
歯の生え始めは歯表面が非常に弱いためフッ素塗布で強化してあげることが非常に効果的です。
大人の方でももちろん歯の強化に有効ですが、歯肉退縮で歯の根元が露出してくると虫歯リスクが格段に高くなるのでフッ素塗布で守るのが効果的です。
フッ素は安全?
フッ素の濃度が心配という声を耳にすることもありますが、歯磨剤もフッ素塗布も、あくまで「塗布」であり、一定時間浸透させた後には吐き出しますから「摂取」する量としては、用法容量を間違えなければ問題の無い範囲です。
仮にですが、市販のフッ素配合歯磨剤1本を一気飲みしても急性症状起こすことはないとされています。
フッ素の力は偉大ですが、あくまでサポート役です。
いくら歯にフッ素を取り込みたくても、歯表面が汚れた状態ではフッ素はうまく取り込まれません。
やはり一番は日頃のブラッシングケアです。
きれいな状態を保つことでフッ素の力が最大限に生きてくるのです。
毎日のケアのほか、定期的に歯科医院でクリーニングやフッ素塗布をすることで、歯はどんどん強くなります。
フッ素を上手く取り入れて効果的に、そして効率よく、歯の寿命を延ばしませんか?