2025/06/18 ブログ
マウスピース矯正で歯を削る目的とは?メリットや注意点も
こんにちは。仙台市宮城野区「福田町駅」より徒歩4分にある歯医者「色川歯科医院」です。

マウスピース矯正では、歯を削る処置を行うことがあります。健康な歯を削るときくと、不安に感じる患者さまも多いのではないでしょうか。
しかし、矯正治療において歯を削る場合、削る量はごくわずかで、エナメル質に影響することや痛みが出ることは基本的にありません。
本記事では、マウスピース矯正で歯を削る目的やメリット、注意点、歯の削り方などについて解説します。治療を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
マウスピース矯正とは

マウスピース矯正とは、透明なマウスピース型の装置を1日に20~22時間装着して歯並びを整える方法です。装置を1~2週間に1回新しいものに交換しながら、段階的に歯を動かしていきます。
装置は自由に取り外しができるため、食事やブラッシングは普段通りに行うことが可能です。また、装置が目立ちにくいため、接客業の方や見た目が気になる方でも取り入れやすい方法といえるでしょう。
ただし、マウスピース矯正はすべての症例に対応できるわけではありません。口腔内の状態のよっては、ワイヤー矯正の適応になることや、抜歯や歯を削るなどの事前処置が必要になることもあります。
マウスピース矯正で歯を削る目的

マウスピース矯正で歯を削る処置のことをIPR(ディスキング)といいます。ディスキングの目的は、歯がきれいに並ぶためのスペースを確保することです。
歯が並ぶためのスペースが不足していると、強い力をかけても適切な位置に移動させることが難しくなります。そのため、エナメル質の側面を削って、必要なスペースを作り出します。
歯を削るときくと不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ディスキングで削る量はごくわずかです。エナメル質の厚みは2~3mm程度ですが、マウスピース矯正で削るのは片側最大0.25mm、両側では最大0.5mm程度となります。
1本あたりの削る量はわずかですが、複数本に処置を施すことにより、まとまったスペースを確保できます。例えば、6本に0.5mmずつIPRを行った場合、トータルで3mmのスペースを作り出すことが可能なのです。
ディスキングによって痛みが出たりエナメル質が脆くなったり、見た目に影響が出たりする心配は基本的にありません。
「どうしても歯を削りたくない」という方もいるかもしれませんが、ディスキングが必要なのに行わないで矯正を進めると、さまざまなリスクが生じます。狭いスペースに歯列を収めることによって前歯が突出したり、後戻りを起こしやすくなったりする可能性があります。
マウスピース矯正で歯を削るメリット

ここからは、ディスキングを行うメリットについて解説します。
歯がきれいに並ぶ
IPRを行うことによって、歯がきれいに並ぶためのスペースが確保できます。そのため、歯を無理なく歯列収めることができ、きれいな仕上がりが得られます。
また、歯のサイズや形を微調整できるため、見た目のバランスも整います。審美性はもちろん、噛み合わせなどの機能面も改善が期待できるでしょう。
治療がスムーズに進む
歯を並べるためのスペースが不足している状態で歯並びを整えようとしても、治療がスムーズに進みません。特に、複雑に重なり合って生えているようなケースでは、治療が難しくなります。
しかし、ディスキングによって必要なスペースを確保できれば、歯をスムーズに移動させられる可能性が高くなるでしょう。
抜歯を避けられる
歯をきれいに並べるためのスペースを確保するためには、抜歯という方法もあります。
しかし、健康な部分を取り除くことや、抜歯によって見た目に影響が出ることに抵抗を感じる方は多いです。IPRであれば、健康な部分を失うことや見た目に影響を与えることはなく、歯を動かすために必要なスペースを作り出せます。
後戻りが起こりにくくなる
歯は、互いに接触することで位置を安定させています。接触する面が大きければ大きいほど、安定した状態を保つことができます。
ディスキングによってエナメル質の両側を削ると、歯同士の接触面が増えます。そのため、一度整えた歯並びが後戻りを起こしにくくなります。
感染のリスクが低い
矯正治療のために抜歯を行う場合、施術後に出血や痛み、腫れが伴います。抜歯によってできた傷口から細菌感染を起こす可能性もあります。
IPRはエナメル質をわずかに削るのみの処置ですので、感染のリスクは低く、出血や痛み、腫れなどの心配が少ないことはメリットといえるでしょう。
マウスピース矯正で歯を削る場合の注意点

マウスピース矯正でIPRを行う場合には、注意すべき点がいくつかあります。
健康な箇所に手を加える必要がある
抜歯のように健康な歯を失うことはありませんが、健康な箇所に手を加えることについては理解しておく必要があります。IPRによって口腔内にダメージが及ぶことは基本的にはありません。
しかし、削る量や本数などについては事前に歯科医師へ確認し、患者さま自身も把握しておきましょう。
作り出せるスペースに限界がある
ディスキングで削る量は、片面最大0.25mm、両面合わせて最大0.5mm程度です。患者さまの口腔内の状態によっては、ディスキングだけでは必要なスペースが作り出せない可能性もあります。
そのような場合には、抜歯を検討する必要があるでしょう。
処置中に痛みや出血がみられることがある
IPRは、虫歯を取り除く際の処置とは異なり、痛みを伴うことは基本的にありません。そのため、処置は麻酔をせずに行われることが一般的です。
しかし、削る際の振動によって不快感を覚えることもあるかもしれません。また、ハグキの状態によっては、器具が触れることにより少量の出血を起こす可能性も考えられるでしょう。
一時的に知覚過敏の症状が出ることがある
IPRによって内部にある神経が刺激され、一時的に知覚過敏の症状がでることがあります。冷たい物や甘い物がしみることがありますが、矯正治療が終了する頃には気にならなくなるでしょう。
痛みが強い場合や長引く場合には、歯科医師へご相談ください。
削った箇所は元の形には戻らない
一度削ったエナメル質は、元の形に戻ることはありません。万が一、形やバランスが理想通りの仕上がりにならなかったとしても、元に戻すことはできないのです。
そのため、事前に歯科医師とよく話し合い、治療内容について理解した上で処置を進めることが重要です。
すき間が埋まらないこともある
IPRは治療計画に基づいて行われますが、治療計画通りに歯が動かず、すき間が残ることもあります。すき間が残れば、見た目だけではく、噛み合わせに影響を及ぼす可能性も考えられるでしょう。起こりうるリスクについては、事前にクリニックで確認することが大切です。
歯の削り方

マウスピース矯正でIPRを行う場合には、特殊なファイルやサンドペーパーなどのヤスリを使用するのが一般的です。処置中の不快感や痛みなどに不安がある方は、クリニックへご相談ください。
まとめ

本記事では、マウスピース矯正でディスキングを行う目的やメリット、注意点、エナメル質の削り方などについて解説しました。ディスキングとは、ヤスリのような器具を用いてエナメル質の側面をわずかに削る処置のことです。
処置によって痛みが出たりエナメル質が脆くなったりする心配は基本的にありません。矯正治療に必要なスペースを少ない負担で作り出すことができ、形やバランスを整える効果も期待できます。
しかし、健康な箇所に手を加えることについて不安な方も多いかもしれません。「どのように削るのか知りたい」「削らなくても治療できるか知りたい」という方は、お気軽にクリニックへご相談ください。
マウスピース矯正を検討されている方は、仙台市宮城野区「福田町駅」より徒歩4分にある歯医者「色川歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・根管治療や予防歯科、小児歯科、マウスピース矯正、インプラントなど、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら、WEB予約・LINE予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。