2025/01/22 ブログ
歯周病の外科治療とは?外科治療が必要となるケース、費用と期間の目安
こんにちは。仙台市宮城野区「福田町駅」より徒歩4分にある歯医者「色川歯科医院」です。

歯周病は、初期段階であればブラッシングやスケーリングなどの基本的なケアで改善が期待できます。
しかし、進行すると外科治療が必要となるケースも少なくありません。歯周病の外科治療ではどのようなことをするのか疑問をおもちの方もいるでしょう。
本記事では、歯周病における外科治療が必要なケースや費用、期間の目安などについて解説します。
目次
歯周病の外科治療とは

歯周病の外科治療とは、進行した歯周病を改善するためにおこなう治療です。歯周病になったら、スケーリングやルートプレーニングなどの歯周基本治療がおこなわれます。
しかし、歯周基本治療だけでは改善が見られない場合は、歯周外科治療が検討されるケースが一般的です。
歯周外科治療には、歯茎を切開して歯周ポケットの深くにある歯石を除去するフラップ手術や、破壊された歯周組織を再生させる歯周組織再生療法があります。一人ひとりの状態に合った治療を選択します。
歯周外科治療を行い、歯周病の進行を食い止めることができれば、歯を長期的に保存できるでしょう。歯周病が進行している場合は、早めに歯科医院を受診して適切な治療を受けましょう。
歯周病の外科治療が必要となるケース

歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなり、スケーリングやルートプレーニングのような歯周基本治療では改善が難しくなることがあります。そのような場合に、歯周病の外科治療が検討されるのです。以下に、歯周病の外科治療が必要になるケースを解説します。
歯周ポケットが深い場合
歯周ポケットが6mm以上と深くなると、スケーリングやルートプレーニングでは細菌や汚れを完全に取り除くことが難しくなります。歯周ポケットの深くの細菌や汚れを放置すると、歯周病がさらに進行する可能性があるでしょう。
フラップ手術を行い、歯周ポケットの深くに付着する細菌や汚れを除去することで歯周ポケットを浅くできます。これによって、歯周病の進行を抑えることができるでしょう。
あごの骨が吸収されて歯がぐらつく場合
歯周病が進行すると、歯を支えるあごの骨が吸収されます。骨吸収が広範囲に及ぶと歯は支えを失い、抜け落ちる可能性があります。歯がぐらつくときは、歯周組織再生療法によって歯を支える組織を再生させる必要があります。
あごの骨を再生させることで、歯の安定性が向上し、抜歯を回避できる可能性があります。
歯周基本治療で改善が見られない場合
初期の歯周病であれば、スケーリングやルートプレーニングなどの歯周基本治療で改善する場合がほとんどです。
しかし、歯周ポケットが深く、歯周基本治療だけで改善が見込めない場合は、フラップ手術などの歯周外科治療が必要になることがあります。歯周外科治療をすることで、根本的な問題にアプローチできるため治療効果を最大化することが期待できるでしょう。
歯周病の外科治療のメリット・デメリット

歯周病の外科治療にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。以下に、歯周病の外科治療のメリットとデメリットについて解説します。
歯周病の外科治療のメリット
歯周外科治療のメリットは、以下のとおりです。
歯周病の進行を防げる
歯周外科治療の最大のメリットは、歯周病の進行を防げることです。歯周ポケットの深くに付着した歯石を徹底的に除去することで、細菌の増殖を防ぎ、歯周ポケットの深さが改善されることが期待できます。
歯周組織が健康な状態に改善することで、歯を長期間維持できる可能性も高まるでしょう。
歯が安定する
歯周病が進行すると、歯を支えるあごの骨が失われて、歯がグラつくことがあります。歯を支える歯周組織を再生させる治療を行うことで、歯の安定性を取り戻すことが可能です。歯のぐらつきが改善されれば、日常生活における不快感や不便さが軽減されるでしょう。
再感染のリスクを軽減できる
歯周外科治療のひとつであるフラップ手術では、歯周ポケット内の歯垢や歯石を目視して除去を行います。また、歯周ポケットが浅くなることで、セルフケアも容易にできるようになるでしょう。そのため、再感染のリスクを抑えることが期待できます。
全身疾患のリスクを軽減できる
歯周病が進行すると、全身の健康に影響を及ぼすことがあります。外科治療によって歯周病の進行を抑えることができれば、心疾患や糖尿病などの全身疾患のリスクを軽減することが期待できるでしょう。
歯周病の外科治療のデメリット
歯周外科治療は進行した歯周病に有効な治療法ですが、デメリットも存在します。治療を検討する際には、デメリットについても理解しておくことが大切です。以下に、歯周病の外科治療のデメリットについて解説します。
費用が高額になる場合がある
歯周外科治療は自由診療となることが多く、保険適用外の場合には費用が高額になることがあります。特殊な材料を使用する治療では、治療費が高額になるケースが多いため、事前に確認しておくと安心です。
治療後に痛みや腫れが生じることがある
歯周外科治療では、歯茎を切開することがあります。そのため、治療後に痛みや腫れが生じることがあります。
痛みや腫れは数日から1週間程度で治まるケースがほとんどですが、仕事などに支障をきたす可能性があるため、事前にスケジュールを調整しておく必要があるでしょう。
治療期間が長くなる場合がある
歯周病の外科治療を受けたあとに状態が悪化した場合は、追加の処置が必要になるケースがあります。また、歯周組織再生療法の場合は数か月ほどかかるケースがほとんどです。治療期間が長くなると、通院やスケジュール調整が負担になる方もいるでしょう。
高齢者や持病がある方は身体に負担がかかる
高齢者や糖尿病などの持病がある方が歯周外科治療を受けると、身体に負担がかかる可能性があります。免疫力が低下していると、治癒が遅れたり感染のリスクが高まったりします。治療を受ける前に、かかりつけ医と歯科医師に相談することが重要です。
歯周病の外科治療の流れ

歯周外科治療は、どのような流れでおこなうのか気になっている方も多いでしょう。以下に、歯周病の外科治療の一般的な流れを解説します。
診断と治療計画の立案
はじめに歯周病の進行度合いを検査します。歯周ポケットの深さや歯を支えるあごの骨の状態を調べるために、レントゲン撮影や口腔内の検査をおこないます。診断結果をもとに、一人ひとりの状態に合った治療計画を策定し、患者さんに説明します。
初期治療
外科治療の前に、スケーリングやルートプレーニングといった歯周基本治療をおこないます。歯石やプラークを除去することで炎症を抑えることができるでしょう。初期治療で症状が改善できれば、外科治療を回避できることもあります。
歯周基本治療が完了したら治療効果を確認し、歯周外科治療を行う必要があるか再評価します。
歯周外科治療の実施
歯周外科治療では、歯肉を切開して歯周ポケットの深い部分を清掃します。歯周組織が破壊されている場合は、歯周組織再生療法が行われることもあるでしょう。治療は局所麻酔下でおこなわれるため、痛みを抑えることが可能です。
術後のケアと経過観察
治療後は、傷口が順調に回復しているか注意深く観察をおこないます。自宅でのケア方法も指導されるため、指示どおりおこないましょう。抗生物質や鎮痛剤が処方された場合は、指示に従って服用してください。
メンテナンス
外科治療が完了したあとも、再発を防ぐためにメンテナンスを受ける必要があります。定期的に歯科医院で歯のクリーニングを受けたり、正しい方法でセルフケアをおこなったりして歯周病の再発リスクを抑えるようにします。
歯周病の外科治療の期間の目安

歯周病の外科治療にかかる期間は、症状や治療内容によって異なります。一般的には、診断からメンテナンスまでを含めて数か月〜1年ほどかかるでしょう。
はじめにおこなうスケーリング・ルートプレーニングは1〜2週間程度で完了する場合が多いです。歯周外科治療をする場合、手術自体は通常1回で終わりますが、術後の回復に約1〜2週間かかるでしょう。
ただし、歯周組織再生療法を行う場合、歯周組織の再生には3〜6か月程度かかる場合が一般的です。術後の経過を確認しながら、定期的なメンテナンスで治療効果を持続させることができます。
歯周病の外科治療の費用

歯周病の外科治療にかかる費用は、治療内容によって異なります。フラップ手術には保険が適用され、3割負担の場合で2,000円〜7,000円程度です。歯周組織再生療法は保険適用外となることが多く、1本あたり10万円以上かかることもあります。
歯周病の進行度や治療法によって費用は大きく異なるため、詳しくは歯科医師に確認しましょう。
まとめ

歯周病の外科治療は、進行した歯周病を効果的に改善するための治療法です。フラップ手術や歯周組織再生療法などによって、歯周病の進行を抑えることができます。
歯周病の外科治療が必要となるかどうかは、歯科医師による診断が不可欠であり、早期発見・治療がポイントとなるでしょう。歯周病の外科治療について疑問がある方は、歯科医院を受診して確認してください。
歯周病にお悩みの方は、仙台市宮城野区「福田町駅」より徒歩4分にある歯医者「色川歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・根管治療や予防歯科、小児歯科、マウスピース矯正、インプラントなど、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら、WEB予約・LINE予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。