2024/07/10 ブログ
セラミック治療は金属アレルギーの方でも大丈夫?注意点も解説!
こんにちは。仙台市宮城野区「福田町駅」より徒歩4分にある歯医者「色川歯科医院」です。

「セラミック治療なら金属アレルギーがあっても安心して受けられる?」「セラミックにはどんな種類があるの?」という疑問を持っている患者さまもいるのではないでしょうか。
今回は、金属アレルギーとセラミック治療について詳しく解説します。金属アレルギーの症状や金属アレルギーの患者さまがセラミック治療を受けるときの注意点もご紹介するので、ぜひご覧ください。
目次
金属アレルギーとは?

金属アレルギーとは、汗や唾液で金属が溶けて金属イオンになり、体が異物とみなされ免疫反応が過剰に引き起こされることです。金属に触れている部分や周辺にかゆみがでて、赤くなったり腫れあがったりする症状がでます。
金属が皮膚に接触して起こるのが接触性皮膚炎、金属を含んでいる歯科材料や食べ物などが身体の中に入って全身に症状が起きることを全身性金属皮膚炎といいます。
金属アレルギーを起こしやすい金属
金属アレルギーを起こしやすい金属は、アクセサリーやバッグ、銀歯など身近なものによく含まれています。アレルギー反応を引き起こしやすい金属に対して敏感な人は、金属製品と接触したり口腔内の金属から金属イオンが溶出したりすることで症状が出ます。
金属アレルギーを起こしやすい金属は、以下のとおりです。
- 亜鉛
- クロム
- コバルト
- 水銀
- スズ
- 銅
- ニッケル
- パラジウム
金属アレルギーを起こしにくい金属
金属アレルギーを起こしにくい金属もあります。
- 純度の高い金
- 純度の高いプラチナ
- 純度の高いチタン
- サージカルステンレス
ただし、上記の金属でも全ての方がアレルギー反応を起こさないとは限りません。金属アレルギーを起こしにくい金属でも、症状が出る可能性はあるので注意しましょう。
セラミック治療は金属アレルギーの方でも大丈夫?

結論から申し上げると、金属アレルギーの方でもセラミック治療を受けることができます。基本的に、セラミックは金属を使用せずに作られているからです。
さらに、生体親和性が高くアレルギー反応を引き起こしにくいメリットがあります。そのため、金属アレルギーの患者さまでも安心して治療を受けられるでしょう。
セラミック治療ができないケース
多くのセラミックは金属を使用していないため、金属アレルギーの方でも治療できます。
しかし、メタルボンドという種類は、金属アレルギーの方には使用できません。メタルボンドは、金属のフレームにセラミックを焼き付けて製作しています。
金属アレルギーの症状が出る可能性があるので、金属アレルギーの心配がある方はメタルボンドでのセラミック治療は避けるようにしましょう。
金属を使用しないセラミック歯の種類

金属アレルギーのある方だけではなく、金属アレルギーの発症が心配な方もメタルフリーのセラミック歯を選択すると安心です。金属を使用していないセラミック歯の種類は、以下のとおりです。
オールセラミック
100%セラミックで作られる詰め物・被せ物です。歯の色やグラデーション、透明感、艶を再現できるため、非常に審美性が高いことが特徴です。
強い衝撃を受けると割れるリスクがあることがデメリットとして挙げられるでしょう。
ジルコニアボンド
ジルコニアボンドは、内側がジルコニアでできており上にセラミックを焼き付けたものです。ジルコニアは大変強度が高く人工ダイヤモンドとも呼ばれており、奥歯にも使用できます。
また、表面のセラミックは透明感があり、自然な歯に近い見た目を実現できます。そのため、前歯から奥歯まで幅広い部位で使用できます。
フルジルコニア
フルジルコニアは名前のとおり、ジルコニアだけを使って製作されています。そのため、金属アレルギーのある方でも安心して使用できるでしょう。
上述のとおり、ジルコニアは非常に強度が高い素材です。そのため、噛み込んだときに圧力がかかる奥歯でも破損する心配なく使用できます。歯ぎしりや食いしばりの癖がある方でも使用できるでしょう。
また、ジルコニアは強度が高いだけではなく、変色しにくく汚れがつきにくいというメリットもあります。丁寧にメンテナンスをおこなっていれば、長期的に使用することができるでしょう。
ただし、天然歯よりも硬いため、噛み合う歯を傷つける可能性があることがデメリットです。噛み合わせに問題がないかなど、歯科医院で定期的に確認してもらう必要があります。
e-max
e-maxは、ニケイ酸リチウムのガラスを主成分とした、審美性と耐久性が高いセラミックです。本物の歯と同じような透明感と光沢があり、仕上がりは天然歯よりも美しいとも言われています。
そのため、目立ちやすい前歯のセラミック治療に使用されることが多いです。e-maxの硬さは患者さまご自身の歯と同じくらいなので、噛み合う歯を傷めにくいというメリットもあります。
金属が使用されておらず、金属アレルギーの心配がある患者さまでも安心して使用できるでしょう。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンを混ぜあわせた素材です。レジン(歯科用プラスチック)が混ざっているため審美性に劣りますが、他のセラミックと比較すると安価に治療を受けられることが特徴でしょう。
硬すぎず弾力性があるので噛み合う歯を傷めにくいことなどがメリットです。
金属アレルギーの方がセラミック治療を受けるときの注意点

金属アレルギーの方がセラミック治療を受けるときに注意するポイントは、以下のとおりです。
事前に金属アレルギーがあることを伝える
金属アレルギーの方がセラミック治療を受けるときには、かならず担当の歯科医師へ金属アレルギーがある旨を伝えましょう。金属アレルギーの有無は基本的に確認されますが、確認し忘れて金属が入ったセラミックを使用する可能性もあります。
使用するセラミックをスムーズに決めるためにも、必ず自分から伝えるように意識しておきましょう。
また、これまで銀歯を入れても問題がなかった患者さまでも、金属イオンが体内で蓄積した結果、数年後に金属アレルギーの症状がでる可能性があります。金属アレルギーの心配がある患者さまは、セラミック治療を開始する前にパッチテストを受けると良いでしょう。
歯科医師とよく相談してから治療を進めることが大切です。
金属を含まないセラミックを選択する
セラミックには、金属を使っているものと使っていないものがあります。メタルボンドは金属を使用しているので、唾液で少しずつ金属イオンが溶け出して金属アレルギーの症状があらわれたり、歯ぐきが黒く変色したりする可能性があります。
金属アレルギーの症状が出た場合は、メタルボンドを早急に撤去する必要があるでしょう。金属アレルギーの心配がある患者さまは、メタルボンドは避けてください。上述したメタルフリーのセラミックを選択しましょう。
まとめ

セラミック治療は、金属アレルギーのある患者さまでも治療可能です。
ただし、金属アレルギーのある患者さまは、選択するセラミックの種類に注意が必要です。オールセラミックやジルコニア、e-maxなどの金属を使用していないセラミックは、安心して使用できるでしょう。
セラミックの種類の一つであるメタルボンドは、外側はセラミックですが、内側は金属でできています。そのため、金属アレルギーの心配がある患者さまは、メタルボンド以外のセラミックを選んでください。
また、金属アレルギーがあるかわからない方は、一度皮膚科を受診して検査を受けるとよいでしょう。
金属アレルギーと言っても、アレルギー反応が出る金属は人によって異なります。どの金属にアレルギー反応が出るのか知っておけば、安全に使用できる素材を選択できるでしょう。
金属アレルギーがあっても選べるセラミックはあるので、安心してセラミック治療を進めることができます。
セラミックを検討されている方は、仙台市宮城野区「福田町駅」より徒歩4分にある歯医者「色川歯科医院」にお気軽にご相談ください。