2024/05/17 ブログ
親知らずは抜く必要があるの?
親知らずはどうする?
「親知らずを抜歯したらすごく腫れて大変だった」と耳にして、親知らずの抜歯を思い悩む方も少なくないのではないでしょうか。
そもそも親知らずは抜く必要があるのか、抜くのは大変なのか、抜いた後はどうなるか、少し詳しく見てみましょう。
親知らずは何歳に生えてくる?
現代人は通常上下左右7本ずつ計28本の歯で咬合を担っています。そのさらに後ろに8番目の歯として生えてくるのが「親知らず(智歯)」です。28本の永久歯は12歳前後で萌出するので親が確認出来ますが、親知らずは20歳前後に萌出するため親が確認出来ないことから「親知らず」と言われています。(※諸説あり)
昔は親知らずまでしっかり生え揃うことが多かったのですが、現代人は食生活の変化などにより顎が細くなったことで、親知らずが生えるスペースを確保できなくなりました。そのため部分的に生えたり(半埋伏)、顎骨内に埋もれたまま生えてこない(完全埋伏)など、萌出の時期・方向は千差万別です。
3割ほどの人は完全埋伏しているというデータもありますし、なかには親知らず自体が存在しない人もいます。
自分の親知らずの有無・どのように生えているのかなどは、レントゲン撮影で状態確認することが出来ます。レントゲンだけでは判断が難しいときはCT撮影で3次元的に把握するケースもあります。自分の親知らずがどんな状態かを把握しておくことは定期健診等でも直ぐに分かりますのでおすすめです。
親知らずは必ず抜くべき?
正常に生えている親知らず・虫歯になっていないキレイな親知らずはもちろん抜歯する必要はありません。しっかり生えていて虫歯の程度も軽度であれば虫歯処置を施して残すことが第一選択です。
しかし最近は顎が小さい方が増え、歯ブラシが届きにくく清掃性が悪いことにより虫歯になるケースが多く、抜歯に至ることが増えました。さらに清掃性が悪い親知らずは菌が繁殖しやすく、腫れたり痛みを繰り返しますので、その場合も抜歯になるケースが多くなっています。
ほかにも親知らずが手前の大臼歯と密接していると、その手前の歯に悪影響を及ぼし手前の歯も虫歯になってしまうなどの場合、手前の歯を守るために抜歯対象になります。
親知らずの抜歯は腫れるの?
上顎の親知らず
上顎の親知らずの抜歯は基本的に腫れたりするケースは多くありません。上顎の親知らずは比較的シンプルな根形状であること、顎骨も下顎ほど硬くないため、向きや位置が難しくなければ比較的スムーズに抜けてきます。
下顎の親知らず
問題は下顎の親知らずです。正常に生えている親知らずの抜歯では腫れたりする可能性はそこまで高くありません。しかし顎骨に隠れている割合が多ければ多いほど抜歯の難易度が高くなり、歯肉切開や周囲の顎骨を削るといった処置が必要になってきます。さらに少しずつ分割して取り出すこともあります。そうなると周囲組織への侵襲時の刺激で腫れや痛みを伴ってくるのです。個人差がありますが、一般に抜歯翌日~3日が腫れのピークと言われています。その後徐々に腫れは引いてきます。そして下顎の親知らずの位置によっては下顎全体を司る重要な神経と血管が近接するなど、リスクの高いケースもあります。
その場合は強い刺激を与えたり傷付けたりしないよう慎重に処置を行います。
抜歯当日の注意事項は?
1.当日は唾液に血が混じります。血餅が剝がれてしまうので強いうがいは避けましょう。
2.麻酔が切れてくると痛みを感じ始めますので、あらかじめ痛み止めを服用すると痛みをやわらげすことが出来ます。
3.当日は激しい運動や長風呂、過度のアルコール摂取といった血流の良くなることは止血困難の原因になりますので避けましょう。
4.喫煙は血流悪化による治癒遅延を引き起こすので避けましょう。
5.抜歯窩は直接触らず、硬いものや刺激の強い食べ物は避けましょう。
6.キンキンに冷やすと治りが悪くなるので、冷やしすぎないようにしましょう。