2024/05/15 ブログ
マウスピース矯正で抜歯をするメリットとは?抜歯が必要な症例も解説
こんにちは。仙台市宮城野区「福田町駅」より徒歩4分にある歯医者「色川歯科医院」です。

マウスピース矯正では抜歯が必要と聞いたことのある方も多いのではないのでしょうか。抜歯が必要なのか気になったり、できるだけ健康な歯を抜きたくないと考えたりする方もいるかもしれません。
しかし、抜歯をしたほうが良いケースもあります。
今回は、マウスピース矯正で抜歯が必要なケースや、抜歯するメリットとデメリット、抜歯するタイミングなどについてくわしく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
マウスピース矯正で抜歯をするメリット

マウスピース矯正では、必ず抜歯を行うわけではありません。
しかし、抜歯が必要な症例もあります。抜歯をするとどのようなメリットがあるのでしょうか。
難しい症例でも矯正しやすい
抜歯をすることで、歯並びを矯正するために必要なスペースを確保できます。抜歯をしない時よりも、歯を動かしやすくなるのです。
そのため、歯を大きく動かすことが必要な難しい症例にも、対応できるようになります。例えば、歯のでこぼこが多い場合や、重度の出っ歯なども矯正しやすくなるでしょう。
抜歯を行うことで、理想の歯並びを実現しやすくなる場合が多いです。
矯正後の見た目に悪影響が出にくい
歯並びだけを重視して抜歯をせずに矯正を進めると、矯正が終わっても歯が歯列に収まりきらない場合があります。
特に、顎のサイズに比べて歯が大きいと、全ての歯が並ぶスペースがありません。無理に矯正を進めようとすると、前歯が他の歯に押されて出っ歯になることもあるでしょう。
抜歯をすると歯を動かせるスペースが増えるため、そのようなトラブルを防げる可能性があります。
矯正期間を短縮できることがある
抜歯をするとスペースが生まれるので、歯をスムーズに動かしやすくなり矯正の期間を短縮できる可能性があります。抜歯をしない場合に比べるとシミュレーションも容易になるため、矯正治療の計画を立てやすいでしょう。
複雑な歯の移動が必要なくなり治療期間が短縮されると、モチベーションを保ちやすくなることもメリットでしょう。
後戻りしにくくなる
抜歯をせず無理に矯正進めると、後戻りしやすいとされています。歯を並べるスペースが十分にないのに無理に歯列に全ての歯を収めたことで、歯が押し合うためです。
後戻りを防ぎやすくなることも、抜歯をするメリットと言えます。
マウスピース矯正で抜歯をするデメリット

抜歯をすることのメリットを解説しましたが、デメリットも確認しましょう。どのような治療・処置にも、メリットとデメリットがあります。
健康な歯を失う
マウスピース矯正において抜歯する歯として選択されるのは、前から4番目、もしくは5番目の小臼歯が多いです。全体の調整を行いやすく、噛み合わせへの影響が少ないとされるため選択される傾向があります。
しかし、健康な状態の歯を抜かなければならないことは、デメリットといえるでしょう。
また、抜歯後はスペースができるため、見た目が気になる方もいるかもしれません。矯正が完了するまでの一時的なものなので、過度に心配する必要はないでしょう。
マウスピース矯正をすぐに始められない
抜歯後は出血や腫れなどの症状が現れるため、すぐにマウスピース矯正を始められるわけではありません。血が止まり、腫れが引いてからマウスピース矯正を開始します。
費用がかかることがある
矯正治療における抜歯は、自由診療のため保険適用外となります。費用は歯科医院によって異なりますが、1本につき1万〜1万5,000円ほど費用がかかる場合があります。
歯科医院によっては矯正治療の費用に含まれていることもあるので、事前に確認しておきましょう。
マウスピース矯正で抜歯が必要な症例

抜歯のメリットとデメリットを解説しましたが、なぜ抜歯が必要なのでしょうか。大きな理由の1つは、歯を動かすスペースを確保するためです。
矯正治療を始めた後でも、歯が綺麗に並ぶためのスペースを確保できないと判断されれば抜歯が必要になるでしょう。以下、抜歯が必要な症例について解説していきます。
歯の生える向きに問題がある
生える向きが正常でない歯がある場合には、抜歯が必要となるケースが多いです。
例えば、出っ歯などで前歯の突出が気になる場合は、突出感を取り除くために他の歯の抜歯が必要になるかもしれません。抜歯をすれば前歯が後ろに移動するスペースができるので、突出感を改善できるでしょう。
そのほか、横に倒れた状態で生えている歯を動かす場合にも、抜歯を検討します。
歯の生える位置に問題がある
歯の生え方や位置が悪く、叢生と呼ばれるでこぼこの歯並びになっている場合、マウスピース矯正だけでは理想の歯並びにならないかもしれません。その場合、抜歯が必要になるでしょう。
噛み合わせがずれている
噛み合わせがズレている場合、抜歯が必要になる可能性が高いです。上の前歯よりも下顎が前に出ていて、上下の噛み合わせが反対になっている状態(反対咬合)の場合は、抜歯したほうがスムーズに治療が進むでしょう。
症状が重度の場合は、マウスピースでの矯正だけでは対応できず、ワイヤー矯正や外科手術が必要になることもあります。
顎の大きさが原因で歯並びが乱れている
歯のサイズに対して顎が小さく、歯並びが乱れている場合も抜歯をする可能性が高いでしょう。顎が小さいと歯が歯列に収まらず、歯が重なって生えるためです。
重なって生えた歯をきれいに並べるスペースを確保するために、抜歯をします。
歯に問題がある
健康な歯ではない、問題のある歯は抜歯することが多いでしょう。例えば、重度の虫歯になっている歯や、歯周病の影響で抜けそうになっている歯、歯並びに悪影響を与えている親知らずなどは抜歯したほうが良い場合があります。
特に、親知らずは抜歯するケースが非常に多いです。後ろから他の歯を押して、歯並びを乱すことがあるためです。
マウスピース矯正で抜歯が必要ない症例

抜歯するべき症例もありますが、抜歯をせずにマウスピース矯正が可能なケースもあります。詳しく確認しましょう。
子どもがマウスピース矯正を行う場合
子どもは顎の骨が柔らかく成長途中のことが多いため、マウスピースで顎の成長を促せば理想の歯並びに誘導できることがあります。そのため、お子さまの場合はマウスピース矯正で抜歯が必要ないこともあるでしょう。
IPRでスペースを確保できる場合
IPRとは、歯の側面のエナメル質を専用のヤスリでわずかに削り、歯を並べるためのスペースを作る処置です。歯を綺麗に並べるスペースが不足していても抜歯をする程ではない場合は、IPRでスペースを確保し矯正を進めるでしょう。
歯列を広げることが可能な場合
歯列を広げることが可能な場合も、抜歯は必要ありません。マウスピースによる圧力で、顎の骨を徐々に横に広げてスペースを作れるケースです。
子どもの骨のように柔らかくなくても、マウスピースを長期間使用することで顎を広げられると歯科医師が判断した場合は、抜歯せずに矯正を進められるでしょう。
奥歯を後ろに動かせる場合
奥歯を後ろに動かせる場合、それに伴って全体的にスペースを確保できるので、抜歯は不要かもしれません。奥歯を後ろに動かす処置が必要になりますが、この動きはマウスピース矯正が得意としています。
抜歯をするタイミングは?

抜歯をするタイミングは、マウスピース矯正を開始する前が多いです。虫歯や歯周病などの問題がある歯は、長期間のマウスピースの使用に耐えられないこともあるので、事前に抜歯を行うでしょう。
または、矯正中の歯並びを確認し、スペースが足りない場合に小臼歯などを抜歯することもあります。
抜歯をするタイミングは、症例や歯を抜く場所によっても変わります。歯科医師と相談して決めると良いでしょう。
まとめ

今回は、マウスピース矯正における抜歯のメリットやデメリット、抜歯が必要な症例、不要な症例についてくわしく解説しました。
抜歯が必要な症例なのに歯を抜かずに治療した場合は、歯が綺麗に並ばなかったり出っ歯になったり、見た目に影響が出ることもあります。また、抜歯が必要と思っていても、それ以外の処置でスペースを確保できる場合もあります。
健康な歯を抜くと聞くと戸惑う方もいるかもしれません。
しかし、ご自身の理想の歯並びをマウスピース矯正で確実に実現させるためには必要な場合があります。抜歯が必要かどうか、一度歯科医師と相談してみてはいかがでしょうか。
マウスピース矯正を検討されている方は、仙台市宮城野区「福田町駅」より徒歩4分にある歯医者「色川歯科医院」にお気軽にご相談ください。