2024/05/08 ブログ
銀歯をセラミックにするメリットは?セラミック歯の種類や注意点も解説
こんにちは。仙台市宮城野区「福田町駅」より徒歩4分にある歯医者「色川歯科医院」です。

「銀歯は見た目がよくないし、虫歯になりやすいのでセラミックにしたい」と考える方は多いです。最近では、保険診療でも白いプラスチックの素材が使用されることが増えてきました。
しかし、以前は銀歯の治療を行うのが一般的でした。「過去に入れた銀歯をセラミックに変えたい」と思っている方もいるのではないでしょうか。
今回は、銀歯からセラミックに変えるメリット・デメリット、セラミックの種類、セラミックにした後の注意点について解説します。
目次 [hide]
銀歯は虫歯になりやすい?

銀歯は、金や銀、銅、パラジウムなどの金属を素材とした詰め物や被せ物のことを指します。加工が容易で強い負担に耐えられる強度があり、保険診療の素材であるため費用が安価です。
虫歯などの治療を行った後、型取りをして作成した銀歯を、セメントで接着して使用します。お口の状態にもよりますが、一般的な寿命は5年前後でしょう。
銀歯の寿命に大きく影響するのは、虫歯の再発(二次カリエス)と言われています。銀歯自体は金属なので虫歯にはなりませんが、銀歯の下の天然歯は虫歯になりやすいのです。
二次カエリスのリスクは銀歯以外の詰め物や被せ物でもありますが、セラミックと比較すると銀歯のほうがより虫歯になりやすいです。その理由は、以下のとおりです。
銀歯の表面は傷つきやすいから
銀歯には、表面が傷つきやすいという特徴があります。日頃の飲食によって無数に細かい傷がつくと、その傷の中に細菌が入り込んで虫歯のリスクが高まるのです。
帯電するため
銀歯は金属なので、身体に影響があるほどではないですが帯電します。プラークが集まりやすく汚れも落ちにくいため、虫歯になりやすいです。
銀歯と天然歯の間に隙間ができるため
銀歯を歯に接着するために使われるセメントは、時間の経過と共に溶けていきます。また、銀歯自体も、温冷刺激などで少しずつ変形します。
そのため、銀歯と歯の間に隙間ができて細菌が入り込むようになります。細菌や汚れが隙間に溜まると、虫歯のリスクが高まるでしょう。
銀歯をセラミックにするメリット

どのような詰め物・被せ物でも、寿命があります。銀歯の交換が必要になったタイミングで、セラミックに変更しようかお悩みの方も少なくないでしょう。
銀歯をセラミックにするメリットは、以下の通りです。
天然歯のような自然な見た目になる
銀歯は金属であるため、周囲の白い天然歯と馴染まず目立ちます。銀歯を選択した場合、口を開いて笑うことをためらう方が少なくありません。
セラミックは白いだけでなく、周囲の歯に近い色や天然歯が持つ透明感・艶も再現できます。天然歯と馴染むので、治療後も思い切り笑えるでしょう。
銀歯よりも虫歯になりにくい
上述しましたが、セラミックは銀歯よりも虫歯になるリスクが低いです。経年劣化により変形しにくく、セラミックと天然歯を接着する接着剤も劣化しにくく強力なためです。
また、表面がツルツルしておりプラークがつきにくいため、虫歯になりにくいとされています。
歯茎が黒くならない
銀歯を長年入れていると、徐々に金属の成分が溶け出して歯茎が黒くなることがあります。この場合、歯科医院で専門的なのケアを受けなければ色は改善されません。
セラミックは長年使用しても成分が溶け出さないので、歯茎が黒ずむメタルタトゥーのリスクはないのです。
金属アレルギーにならない
銀歯からセラミックに交換する大きなメリットとして、金属アレルギーのリスクがあげられます。元々は金属アレルギーでない場合でも、銀歯を長く使用していると金属アレルギーになることがあるため、金属をお口の中に入れることは望ましくありません。
セラミックは陶器なので、金属アレルギーの心配はないです。
ただし、内側が金属で外側をセラミックでコーティングしたメタルボンドに関しては、金属アレルギーのリスクがあるため注意してください。
銀歯をセラミックにするデメリット

銀歯をセラミックに交換するデメリットは、以下の通りです。
高額な費用がかかる
銀歯は保険診療で治療ができますが、セラミックは自由診療の治療です。そのため、全額患者さまが自己負担しなければなりません。
しかし、銀歯はセラミックよりも寿命が短いです。寿命がきたら交換しなければならないので、頻繁に交換する場合はその分費用も通院のための時間も必要になります。
寿命なども考慮しながら、どちらのほうがご自身にあっているか考えて選ぶ必要があるでしょう。
銀歯よりも天然歯を削る必要がある
銀歯よりも、セラミックは厚く作らなければなりません。セラミックは強い衝撃を受けると割れることがあるため、強度を保つためには厚みを持たせなければならないのです。
そのため、銀歯からセラミックにする場合、さらに天然歯を削る必要があります。歯は削れば削るほど寿命が縮まるので、デメリットと言えるでしょう。
強い衝撃が加わると割れることがある
強い衝撃を加えても、銀歯が割れてしまうリスクは低いです。
しかし、セラミックは強い衝撃が加わると割れることもあります。特に、強い歯ぎしりや食いしばりの癖がある方はリスクが大きいでしょう。セラミックが割れるのを予防するために、就寝中にナイトガードを装着するなど対策しなければなりません。
歯科治療で使用されるセラミック歯の種類

セラミックにはさまざまな種類があり、使用場所や使用目的、患者さまの希望を考慮して選択します。主なセラミック歯は、以下のとおりです。
オールセラミック
オールセラミックは、内側も外側も文字通りすべてセラミックの素材です。セラミック特有の透明感と艶があり、見た目が非常に美しいです。
審美性を重視する方や、前歯などの目立つ部分を治療する方に選ばれる傾向があります。
ジルコニア
ジルコニアは、人工ダイヤモンドとも呼ばれるほど強度が高い素材です。奥歯など、大きな力がかかりやすい歯にも使用できるでしょう。
審美性はオールセラミックのほうが優れているので、患者さまのご希望や食いしばりなどの癖を踏まえて選択してください。
メタルボンド
メタルボンドは、内側が金属で、その上にセラミックを焼き付けた素材です。外側は天然歯のように白いですが、金属の強度も兼ね備えています。ジルコニアと同じく、奥歯の治療に用いられることが多いです。
しかし、金属が溶け出すことがあるため金属アレルギーの方には使用できません。また、内側の金属が見える場合があるなど、審美性は他のセラミックと比較すると劣ります。
e-max(イーマックス)
e-maxは、ガラスセラミックを強化したものです。通常のセラミックよりも透明感があり、天然の歯以上の美しさを誇ると言われています。
硬さが天然歯と同程度なので噛み合う歯を傷つけにくいなどのメリットがあります。
銀歯をセラミックにしたあとに注意すること

銀歯をセラミックにすると、周囲の天然歯と自然に馴染むので満足される患者さまが多いです。
しかし、セラミックは保険診療で治療できる銀歯と比較して高額です。長持ちさせるために、以下の点に注意を払ってください。
食後の歯磨きを怠らない
セラミックは銀歯よりも二次カリエスになりにくいという特徴がありますが、二次カリエスにならないわけではありません。
虫歯の治療で銀歯を入れていた場合、その歯はうまく歯磨きができていない可能性が高いでしょう。歯磨きを怠った場合、虫歯になるリスクが高いです。
二次カリエスにならないために、基本的には食後に必ず歯磨きをしてください。少なくとも、虫歯のリスクが高まる就寝前には念入りに歯磨きをしましょう。
歯間ブラシやデンタルフロスを使う
歯間ブラシやデンタルフロスを使用する習慣がない方もいるかもしれません。
しかし、歯ブラシだけを使用していても歯と歯の間の汚れは落とせません。歯と歯の間に虫歯ができることも多いので、歯間ブラシやデンタルフロスを1日1回は使用してください。
ご自身に合うツールの選び方がわからない場合は、歯科医院で相談すると良いでしょう。
定期検診を受ける
虫歯や歯周病のチェックだけではなく、セラミックの状態や噛み合わせなどの確認のためにも定期検診を受けましょう。歯科医院では、セルフケアでは除去しきれないプラークや歯石を除去するお口のクリーニングも行っています。
定期的にケアを受けることで、虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。
まとめ

銀歯をセラミックにすることは、患者さまのお口の健康にとって大きなメリットがあるといえます。また、銀歯が目立つのが気になっていた方にとっては、セラミックの審美性は大きな魅力といえるでしょう。
セラミックにはオールセラミック、ジルコニア、メタルボンドなどさまざまな種類があります。それぞれ特徴が異なるので、自分の歯にはどのセラミックがよいかわからないといった場合は気軽に相談してみましょう。
銀歯からセラミックへの変更を検討されている方は、仙台市宮城野区「福田町駅」より徒歩4分にある歯医者「色川歯科医院」にお気軽にご相談ください。