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2024/04/16 ブログ

歯の外傷

いよいよ暖かくなり新学期も始まると、子どもたちはさらに活動的になりますよね。この時期から多くなってくるのがお子さんの外傷です。活発になると転んだりぶつけたりすることが多くなりますのでお子さんのお口の外傷は、ほかの部位と比較しても珍しいことではありません。

外傷による主症状のいろいろ

唇を切った

口腔領域の粘膜は、手足の皮膚に比べ薄く柔らかいですよね。そしてなにより毛細血管が豊富なため、唇や小帯が切れてしまうと予想外に多くの出血量があり慌ててしまいます。
唇から出血する場合、まずは清潔なガーゼで傷口をしっかり押さえ圧迫止血をすることが第一選択になります。途中で何回も様子を見るのにガーゼを剝がしてしまうと、すぐに傷口が開き再出血してしまいますので、少なくとも数分~数十分間はしっかりと圧迫止血するようにしましょう。
ティッシュやコットンでの圧迫止血は、毛羽立つ繊維が傷口にくっ付いてしまうので適した素材とは言えません。出来れば清潔なガーゼで止血しましょう。
なかなか止血しない場合や、傷のサイズが大きいとき、傷の深さなどによっては、縫合やレーザー止血を必要とする場合もあります。

歯が欠けた(歯冠破折)

歯の頭の部分が欠けてしまった場合、欠けたサイズが小さく軽度であれば、プラスチックの詰め物(レジン修復)などで修復することが可能です。半分以上の大きさで欠けた場合は歯の寿命を考慮し被せ物で修復します。神経まで到達しているほど重度に欠けた場合は強い痛みや歯肉の炎症を伴うことが多く、神経の処置をしてから被せ物で修復します。
乳歯が欠けてしまった場合、お子さんの年齢によっては永久歯の生え変わり時期と被ることが珍しくありません。その場合は程度によって修復せず生え変わるまで経過観察することもあります。

歯の根が割れてしまった(歯根破折)

強くぶつけたことで、歯がグラグラしたり、その歯の周囲歯肉から出血することがあります。歯の根っこが割れたり折れたりするとこのような症状を呈します。固定し安静にすることで様子を見ることもありますが、歯根破折の場合、程度よっては抜歯を第一選択にすることも少なくありません。歯根破折した歯はバイ菌感染しやすく、あまり予後が良いとは言えないからです。レントゲンで精査し状態の把握をしますが、レントゲンの性質上、はっきりした破折線は読影出来るものの、細かい亀裂や破折線の角度によっては読影が難しいこともあります。そのため経過観察しながら定期的にレントゲンで状態の把握が必要
です。

歯が抜けた/歯がグラグラしている(脱臼/亜脱臼)

歯そのものが歯槽骨(歯を支えている骨)から逸脱し緩んでしまうことを脱臼といいます。歯が歯槽骨から完全に脱落することを完全脱臼といいます。完全脱臼はしていないものの、歯がグラグラしたり本来の位置とズレていることを不完全脱臼(亜脱臼)といいます。不完全脱臼は元の位置に戻して両隣の歯に固定すると再び安定する場合が多くあります。完全脱臼は元の位置に埋め戻す再植がなされますが、この場合は歯の状態はもちろん歯根を覆う歯根膜の状態が良いことや脱落から時間が浅いことなど、とても条件が厳しくなります。直ぐに歯科医院を受診するようにしましょう。

歯の色が変わった/永久歯への影響が心配

受傷直後は何事もなくても、受けた衝撃の程度によっては時間差で神経が弱ってくることがあります。神経が弱ってくると歯は透明性が無くなり黒ずんだ色に変化します。こうなると歯に血が通わなくなるので神経の処置が必要になります。
また衝撃の程度によっては、これから生えてくる永久歯に影響が出る可能性も考えられます。まだ生えてない永久歯や生えたての永久歯は、進んで処置をするというよりは可能な限りお子さんの高い治癒能力に期待しながら経過観察をすることになります。
いずれの場合も受傷したら可能な限り早く歯科医院を受診し、定期健診の際にはレントゲン写真で予後を確認することでいち早く異常を発見し対処することが大切です。

医院名 色川歯科医院
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