2024/04/01 ブログ
歯垢(プラーク)と歯石の違い・付きやすい人とは?
テレビCMなどで耳にする機会があるので、歯垢(プラーク)・歯石といった言葉に馴染みがある方も多いのではないでしょうか。
ではそもそも「歯垢/歯石の正体」・「歯垢/歯石の違い」について知っていますか?
今回は歯垢と歯石について詳しくみていくことにしましょう。
目次
歯垢(プラーク)の正体は
食べかすだけではありません
歯垢(プラーク)は細菌の塊です
食後に歯の表面を舌で触るとザラザラした部分がありませんか?鏡でよく見てみると白っぽいネバネバした塊が出来ていて、爪などの硬いもので引っかいたり、歯磨きをすると取れてくるものがあります。この塊が歯垢(プラーク)です。
この歯垢は食べかすはもちろんですが、その食べかすを餌にする細菌が主体となり構成されています。プラーク1mgの中には300種類の細菌が1億個も存在すると言われていますが規模を想像するのが難しいかもしれません。これを言い換えると塩の粒10粒の中に300種類の細菌が1億個存在するということです。これを聞くとゾッとしてしまいますよね。
歯石は歯垢が結晶化したものです
プラークが長時間残ったままだと、唾液中のカルシウムと反応し結晶化します。これが歯石です。1日2日で歯垢が歯石に変化するわけではありません。歯垢が結晶化するのには数週間~数カ月かかると言われています。ということはその間ずっと歯の表面に歯垢が滞在していたということになりますから、あまり良い口腔内ではないことが分かります。歯石が出来る過程としては鍾乳石のようなイメージすると想像しやすいかもしれません。歯石はどんどん大きく成長するので、場合によっては歯のサイズと同じくらい、もしくはそれより大きく成長することもあります。歯石はツルツルと滑沢な表面をしているので、プ
ラークのようなヌメリが少ない分、不快に感じ難く放置してしまう原因の一つにもなります。
歯垢(プラーク)は生きた細菌の塊ですので虫歯と歯周病が同時進行してしまいます。一方で歯石は結晶化しているのでそれ自体が虫歯を引き起こすことはありません。しかしながら、除去困難な歯石によって歯肉の炎症が進むため歯周病が一気に進んでしまうのです。
歯周ポケットの上にある歯石はスケーリング処置で除去することが出来ますが、歯周ポケットの中に出来てしまった歯石は厄介でスケーリングだけでは除去出来ません。局所麻酔下で専用器具を使い手用で除去するしかありません。そうなる前に定期的にきれいな口腔環境を整えるのが理想です。
歯垢(プラーク)・歯石が付きやすい人
磨き方が悪い人
磨き残しが多いと歯垢が付きやすく歯石も増えやすくなります。日頃の丁寧なブラッシングを心掛けましょう。
甘いものが好きな人
砂糖に含まれる糖分は細菌の餌になります。また菓子類に多く見られる歯の表面に残りやすい性状も歯垢や歯石が増える要因の一つです。
歯並びが良くない人
汚れが溜まりやすい部位は①歯と歯の間 ②歯と歯肉の境目 ③臼歯部の噛み合う面です。歯並びが悪いとブラシが届きにくく磨き残しも多くなりがちです。
矯正装置を付けている人
矯正装置を付けている場合、通常より磨き難くなるので歯垢や歯石が付きやすくなります。ブラケット矯正の場合は、マウスピース矯正と比較しても歯ブラシの毛先が届き難く、装置の周りに汚れが溜まりやすくなるため特に注意が必要です。
当院はクリーニングのプロフェッショナルが多く在籍しています。定期健診で専門的なクリーニングをおこない、自分では取れない歯石の除去と併せて虫歯・歯周病のチェックもしましょう。患者さん一人一人に合わせた日頃のブラッシングケアの方法についてのアドバイスも積極的に行っています。
気になる方はぜひ気軽に相談してみてくださいね。